通常内装に使う合板や無垢材は、塗装がしてあることがほとんどです。表面に塗装をしてしまうと、木肌の心地よさはなくなり、梅雨場などは、湿気でベタベタしてしまいます。無塗装の無垢の木は、木肌の質感を残したままですので、素足で歩くと、夏はサラサラしていますし、冬場は塗装ものの冷たさとは違い、暖かさがあります。

　森に行くとなぜか心地いい感じがします。これは、木が出しているフィトンチッドという香り成分の効果です。アロマオイルなどにも使われるフィトンチッドには、リラックスを促す効果があります。木の香りが漂う家には、そんなリラックス効果を促す効果もあるのです。

無垢の木だから、木の一本一本が違う表情をしています。同じものは二つとありません。また、無垢の木は通常の建材とは違にはない深い味わいがあり、本物としての良さがあります。そして、月日がたてばたつほどその色や木目の表情が少しずつ変わっていき、それと共に深い愛着が湧いてくるのも木の家の醍醐味です。

一般の建材や家具に使われているのは、合板です。合板は、薄い木を貼り合わせたり、木くずを接着材で固めたりして作っており、その接着剤に含まれる揮発性有機化合物がシックハウスの問題となります。最近ではＦ☆☆☆☆という基準を満たす製品も出てきましたが、ゼロではありません。無塗装の無垢材にはそういった成分が含まれない安全性があります。

表面を塗料で塗り固めていない無垢の木は、木自体が呼吸をします。
ここで言う呼吸というのは、湿気が多いと湿気を吸い、乾燥していると水分を放出する機能があるということです。無垢材を使った部屋は、湿度変化が緩やかになります。湿度も50%前後に保とうとしますので、カビやダニの発生を抑える効果があります。
居室に使うのもさることながら、湿った布団を入れる押入れやクローゼットにも最適です。

乾燥させた木材には、細胞に小さな穴が開いています。そこに、空気を含むことができるので、温かくなりにくく、冷めにくいという性質があります。フローリングというと、通常は表面を接着剤で固めた複合フローリングですので、冬はとても冷たく感じます。無垢ですと、それほどヒヤッとした冷たさを感じません。無垢材そのものに断熱効果もあるため、エアコンの省エネにもつながってきます。